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バクガ

生態と特徴

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成虫体長…体長4~6㎜、開張13~14㎜
  体色…前翅と頭部は淡い黄褐色、後翅と腹部は灰褐色~銀褐色
幼虫体長…老齢幼虫で10㎜ほど
  体色…頭部は淡黄褐色、腹部は微黄白色
蛹体長…8㎜
 体色…黄褐色
卵体長…長径0.6㎜
  色…産卵直後は微黄色、孵化直前は淡紅色

 成虫の下唇髭は細長く、強く上方に曲がっています。前翅は細長く先端が尖り、後翅には長い縁毛を持ちます。幼虫は全体的にずんぐりしており、短毛に覆われています。卵は扁平で楕円形をしています。
 成虫は活発に飛翔し、穀粒の表面や穂の裂け目など、皺のような場所を好んで数個または卵塊で産卵します。孵化した幼虫は、穀粒内へ食入して発育し、成虫となって穀粒外へ脱出します。成虫が脱出した穀粒には、穴が1ヶ所開いています。幼虫は屋内で貯蔵されている穀粒内で越冬し、翌春成虫が羽化して屋内で繁殖を繰り返すもの、野外に出て穀物の穂に産卵するものがいます。卵から成虫になるまで1ヶ月ほどかかります。

分布と発生場所

 発生は日本全土で、北海道などの寒地では年1~2化、東京など暖地では年4~5化と言われています。寄主植物として、小麦、大麦、米、トウモロコシなどの穀物を好みます。他に、エン麦、ライ麦、ソルガム、アズキモロコシ、ヒヨコマメ、ササゲ、ドライフルーツ、竹の種子などでも発生します。また、イネ科雑草の種子でも発育が可能です。
 
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被害

 畑や水田に生えている穀物の穂に産卵し、穀粒内へ食入した幼虫が穀粒とともに貯蔵場所へ持ち込まれます。そして翌春羽化した成虫が屋内で繁殖を重ね、大発生することがあります。このため、屋内外問わず問題となります。本種は、代謝熱によって穀物の温度を上昇させたり、小麦の水分量や微生物汚染の増加、発芽率を低下させるなどの報告もあります。
 以前は麦の大害虫として知られていましたが、近年は麦の栽培そのものが減少したため、被害報告も少なくなっています。また、貯蔵倉庫では発生は見られますが、一般の家庭での発生はあまり見られません。

駆除・防除方法

 屋外からの成虫の飛来侵入を防止するためには、網戸や防虫カーテンを設置することが効果的です。屋内にいる成虫に対しては、吊り下げ式の粘着テープを設置し捕獲するとよいでしょう。ただし、貯蔵倉庫で大発生してしまった場合には、被害米の除去やくん蒸による殺虫の必要があります。貯蔵倉庫内の日々の清掃管理や点検により、発生を予防、早期発見を心がけましょう。

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