チカイエカ
生態と特徴

体長…5.5㎜
アカイエカの亜種で、見た目はアカイエカとほぼ同一です。
アカイエカと異なり、吸血しなくても1回は産卵することができ(無吸血産卵性)、その後吸血欲が高まり、鳥類・哺乳類から吸血することによって産卵を繰り返すことができます。吸血後は薄暗い場所の壁などに休止します。
成虫は冬でも冬眠せず、気温が高ければ吸血活動をするため、冬期でも地下鉄の構内やオフィスなどで刺されることがあります。都市化が進んだ地域ほど多く発生する代表的な都市害虫です。
分布と発生場所
九州、四国、本州の都市及びその近郊に分布します。沖縄での報告はされておらず、鹿児島県奄美地方以南では、ネッタイイエカが多く生息しています。主にビルの地下水槽・排水槽・地下鉄の構内、古井戸などの地下の水域などから発生しますが、貯木場や廃船などの開放水域でも生息していることが確認されています。

被害
屋内に侵入して主に夜間に人を吸血します。吸血の被害はビルの地下街などでの吸血が多く見られますが、上階にあるオフィスでも被害を受けることがあります。都市化が進むことで、都市区での被害が大きくなっています。一方、暖地(徳島など)では、晩秋期、一般の民家に侵入して吸血することもあります。フィラリアの種であるバンクロフト糸状虫やウェストナイルウィルスの媒介蚊としても知られております。
駆除・防除方法
幼虫対策:発生源が湧水槽や排水槽などの閉鎖的な場所であることが多いため、完全に駆除することは困難ですが、屋内などへの侵入源である隙間を失くすことで低減が図れます。また、発生水域への薬剤処理が効果的です。成虫対策:エアゾール剤、燻煙剤、蚊取線香などによる方法があります。