ドバト(カワラバト)
生態と特徴

体長…全長:約33.5㎝
翼長:約20~25㎝
体色…成鳥:主に灰色ですが、色や模様の変異は多い
雛 :黄色の細かい羽毛
卵 :白色
ドバトは元々ユーラシア大陸に生息するカワラバトが飼育・改良されたもので、日本へは平安時代頃にはやってきていたのではないかと言われています。
見た目の色は変異に富みますが、目は赤く、嘴が短く、嘴の根元の鼻に白いこぶがあることが特徴です。
繁殖は年中可能ですが、春と秋に盛んになります。一夫一妻で、年間3~5回産卵し、1回に2~3卵産みます。親鳥は雛に対し、体内で分泌されるピジョンミルクという餌を与えます。これにより、餌の少ない時期でも子育てをすることが可能となります。
食性は、種子や米、木の実、豆類など植物質を好んで食べますが、昆虫も食します。都市部では、人間が捨てたスナック菓子、生ゴミなどを食べることがあります。
分布と生息場所
日本全国に分布しています。マンション、ビル、駅、神社、寺院、倉庫、工場などの雨風の当たらない、高い場所を営巣場所とする傾向にあります。

被害
ドバトによる被害としては、①糞害、②ダニなどの寄生虫、③悪臭・騒音が挙げられます。①糞害としては、糞が汚損や金属の腐食を引き起こしたり、糞には様々な病原菌が含まれることから、乾燥した糞が飛散し、吸入してしまうことで感染症を引き起こす恐れがあります。クリプトコッカス症やオウム病などが特に深刻な被害をもたらします。
②の寄生虫は、ドバトの体表や巣に生息しているダニ(トリサシダニ、ワクモ等)やシラミが、そこから離れて人を刺しにくることがあります。刺されると痒みや紅斑を生じます。
③悪臭・騒音ですが、営巣されることで鳴き声や羽音による騒音、糞や卵、死体などからの悪臭被害があります。
※クリプトコッカス症の症状:肺感染の場合は、通常は無症状か軽症ですが、発症すると、咳、喀血、胸痛といった症状が出ます。髄膜炎になると、頭痛や嘔吐、発熱を生じます。
※オウム病の症状:発熱、頭痛、全身倦怠感、食欲不振など。重症の場合は、呼吸困難、意識障害。
防除対策
ドバトの飛来・営巣を防ぐ方法として、止まりそうな場所に忌避剤を配置したり、防鳥ネットやスパイク、ワイヤーなどで物理的に止まれなくさせるようにする方法が一般的です。捕獲をする場合には、鳥獣保護管理法の対象となっていますので、都道府県知事(または委譲された市町村)の許可が必要となり、むやみに捕獲することはできません。巣の撤去についても、巣のみであれば許可は必要ありませんが、卵や雛がいる場合も許可が必要となります。
その他、注意しなければいけないのは、縄張り意識が強いということです。巣を作り始めたために撤去しようと思って、手を出そうとすると攻撃を受けます。また、防鳥ネット等で対策をして、鳩が来ないからといって外してしまったり、ネットに隙間が出来てしまうと、戻ってくることがあります。一度巣を作ると、ハトにとっては安全な場所、自分のテリトリーと認識しますので、対策をした後も注意が必要となります。
