アニサキスには正露丸?!~食中毒対策~

「アニサキス症に正露丸 大幸薬品が痛み緩和で特許」という見出しを見つけました。
「アニサキス」と言えば、魚に寄生する寄生虫で、加熱処理をされていない、または加熱不十分な状態で生きたままのアニサキスを摂取すると強烈な腹痛に見舞われるというものです。近年、度々ニュースでも取り上げられており、
アニサキスの特徴
・体長:2~3㎝・体色:白色(少し赤みを呈することもある)
・体系:糸状
・寄主:アジ、サバ、イワシ、サケ、サンマなどの魚介類に寄生する
・症状:激しい腹痛、吐き気
・お酢、塩、醤油等では死なない
・魚体のどこに寄生しているかという予測は立てられない(内臓部分が多いが、筋肉部にも寄生)

生魚を食べる文化がある日本では、アニサキスによる被害も多くなってしまうのも当然です。
アニサキスによる食中毒を予防するには、加熱や冷凍(マイナス20℃で24時間以上)を中心部までしっかりと行うことが有効です。
正露丸が効く??
冒頭にも書きましたが、アニサキス症に胃腸薬である正露丸が効果があるとニュースになっておりました。ここで正露丸の説明をしますと、
・主成分:ブナやマツなどの原木を乾留して得られる木(もく)タールを精製した「木クレオソート」
・腸の運動を止めないで、腸内の水分バランスを調整し、おなかに作用
・効能:軟便、下痢、食あたり、水あたり、はき下し、くだり腹、消化不良による下痢、むし歯痛
(大幸薬品株式会社のホームページより引用)
記事によると、アニサキス症が疑われた患者が正露丸を服用すると、腹痛が1~2分で消失したとのこと。調べると、患者から動かないアニサキスが見つかり、処方箋なく回復したそうです。
さらに、食事中または食後の服用で、症状が軽減されたり、起こさなかったりと、予防効果も期待できるそうです。
こういうニュースは消費者にとっては非常に嬉しいものです♪
食中毒対策(当社の業務紹介)
アニサキスは生き物ですが、アニサキスによって引き起こされるアニサキス症は食中毒として扱われます。食中毒は、サルモネラや黄色ブドウ球菌などの細菌性食中毒、ノロウイルスなどのウイルス性食中毒、フグ毒や毒キノコなどによる自然毒などがありますが、アニサキスは寄生虫食中毒として扱われます。
当社では食中毒に係わる業務も行っておりますので、簡単にご紹介させていただきます。
1.殺菌業務
細菌性やウイルス性の食中毒が発生した施設の厨房やトイレをはじめとし、感染者が使用した場所、感染経路となり得る場所などに対して拭き取りや空間噴霧による殺菌処理を行います。また、食中毒予防として、定期的に殺菌をご依頼してくださる施設もございます。
2.微生物検査業務及び改善提案
主に食品取扱施設において、調理器具や従業員様の手指等を拭き取り検査を行い、菌がどのくらい存在しているのかを調べます。また菌数だけを見るのではなく、作業工程や管理状況も併せて確認することで、感染や菌の増殖が起きやすい場所・管理方法を指摘し、改善提案をさせていただいております。

3.教育
主に食品取扱施設において、従業員の皆さまを対象に、食中毒事故を起こさないための勉強会を開催します。細菌やウイルスは目で見ることができないからこそ、日常の徹底した管理が必要なのです。そのために必要なのは設備もそうですが、従業員の方々の意識、取り組みです。当社では、食品事故を起こさないためのサポートもしてまいります。
食の安全
日本での食中毒の発生件数は過去3年間では年1000件ほどで、患者数は20000人前後となっております。「日本は衛生管理が行き届いている」、「安全、安心だ」と思っている方にとっては意外に多いと思われたのではないでしょうか?
「この食べ物は安全だ」ということを、皆さんはどのように判断されますか?アメリカ等先進国ではHACCPという衛生管理の手法が国として義務化されております。一方、日本では国としての決まりは無く、企業単位での取り組みに任せているのが現状です。
しかし、衛生管理が証明できていないと輸出が制限される、日本への外国人旅行者が年々増加、東京オリンピック・パラリンピックが開催予定ということもあり、食の安全を海外に示す必要が出てきました。
そこで今年6月、日本としても食中毒対策を強化、衛生管理の強化等を目的とした食品衛生法の一部改正が公布されました。国としていよいよ「食の安全」に向けた動きが始まったのです。これからは国内の食は安全であることが当たり前の時代となります。みなさんの身近にも何か感じられる時がくるかもしれません。
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