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お役立ちコラム

虫たちの越冬

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虫たちの越冬
急に秋から冬になったようですね。
寒波が襲来し、都心でも最低気温が1℃台と非常に寒くなってきました。
皆様、体調崩されてませんか?

先日、この寒波が押し寄せる少し前、筆者の息子が「虫採りしたい!」と言い始めたので、網を持って出かけました。
案の定、虫の気配はありません。少し前までは暖かい日もあり、トンボやチョウが飛んでいましたが、この日は見るからに何もいませんでした。

そこで、こういう時はと思い、公園内にあったケヤキの樹皮を剥がしてみました。

keyaki_column.jpg


すると木の根元にはワラジムシがウジャウジャ!!
(苦手な方はごめんなさい!!)

ケヤキのワラジムシ



ワラジムシはまだ元気に活動しているようです。

一方、目線ほどの高さにある木の樹皮の裏にはこんな虫がいました。

テントウムシ
ゾウムシ


左がテントウムシ(ヨトボシテントウ?)、右はゾウムシです。
この虫たちは恐らく越冬中だと思われます。
活動が終わり、寒い冬を過ごすためにこのような隙間に身を潜めています。

越冬


私たち人間は、寒くなると厚着をしたり、暖房をつけて寒さを凌ぎます。
しかし、日本にいる虫の多くは、活動・成長を停止させます。これを「休眠」と言います。

なぜ休眠をするのか?ですが、冬は餌も少なく、そもそも寒くて活動が難しく、無駄にエネルギーを消費してしまいます。しかしそれだけでなく、この低温に触れることで次の成長にも繋がります。例えばモンシロチョウは蛹の状態で休眠しますが、この蛹の状態で一定期間低温に触れることで翌春、羽化することができます。冬の途中で暖かい部屋に入れても羽化することはできません。

ただし、「越冬=休眠」ということではありません。
休眠とは、冬の低温だけでなく、夏の高温、熱帯地域での乾季など、その虫にとって厳しい環境を過ごすための成長の停止のことを言います。
休眠に入る温度は虫の種類によって違い、冬だからと言って全ての虫が休眠するわけではなく、蛾の仲間であるフユシャクのように冬に活動をするものもいます。また、休眠はせず、寒くて動けないだけの虫もおり、越冬の方法は様々です。


こんな被害が?!


冒頭に紹介したテントウムシやゾウムシなどは樹皮下で越冬しますが、朽木や土の中で越冬するものもいます。
しかし時に、というかよくあるのが下の写真のような光景です。

テントウムシ越冬



これは、とある建物の野外と接している扉です。 扉と枠の隙間にテントウムシが入り込んでいます。

テントウムシ類や臭いにおいで嫌われるカメムシ類等では、このように集団で越冬することがあり、越冬場所として建物の隙間(扉の隙間、屋根裏、床下、換気口など)を利用することが度々あります。
特に問題とならなければいいのですが、見た目の不快さ、そしてカメムシ類では悪臭被害があります。


侵入防止対策

1.発生源対策

 テントウムシ類やカメムシ類は植物に依存しています(実際には、ナミテントウはアブラムシを捕食する)。建物の周りの雑草を刈るなど、発生・休息場所をなくすことが大事です。

草刈り

2.扉や窓をしっかりと閉める、隙間をなくす

 虫の体は小さく、建物の僅かな隙間をすべてなくすということは、非常に難しい話です。ですので、例えば経年劣化等により、扉がしっかりと閉まらないなど、以前より隙間が広がってきたと思われる場所は注意し、必要に応じ隙間処理テープ等を使って隙間を塞ぎましょう。

窓閉める

3.薬剤処理

 窓枠などにスプレータイプの殺虫剤を噴霧したり、外壁に液剤を噴霧することで忌避・駆除します。しかし、処理面積が広かったり、繰り返し噴霧が必要になったりと、大変な面もあります。

殺虫剤



関東でもだいぶ寒くなってきたので、地域によってはこれから侵入してくることは少ないかもしれません(もう少し早く投稿すればよかった・・・)。
ただ、対策に挙げたものは越冬する虫だけでなく、暖かい時期に飛来侵入してくる虫に対しても有効ですので、今後の参考にしていただければと思います。



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