ケラ
生態と特徴

成虫体長…30~35㎜
体色…茶褐色
全体的に茶褐色で、金色の短い毛が密集しています。太く頑丈でモグラの前足のように発達した前肢を有し、前翅は短く、長すぎない後肢で、土を掘り進む作業に適した体型をしています。湿った土中にトンネルを掘り、「ボー」と低く続けて鳴きます。雌は5~7月頃に産卵し、数10~300個程度の卵を産みます。母虫は孵化するまでつききりで保育にあたり、餌を運び込んだりします。孵化した幼虫は集団で棲み、9~10月に羽化して成虫で越冬します。本種は雑食性で、後翅は長くよく飛び、灯火に飛来することがあります。
分布と発生場所
全国に分布します。河原や草原、田畑の土中に巣穴を掘って地中生活をします。また、乾燥した硬い土よりも、水分を含んだ柔かい土壌を好みます。石や敷き藁の下に潜んでいることもあります。

被害
農作物の根などの地下部分を食害します。地中に孔道を作ることによって土壌を攪拌し、通気性や通水性を高める作用もありますが、害虫としての作用が大きいと考えられています。