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ヒラタチャタテ

生態と特徴

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体長…成虫:1.0~1.3㎜
体色…成虫:頭部は褐色で、それ以外の部分は透明感のある褐色
   卵:光沢があり、青味がかった白色

 小さな昆虫で、見た目は全体的に柔らかく弱々しいです。体の割りに頭部が大きく膨らみ、触角は糸状で長くなっております。翅がなく、活発に這いまわります。不完全変態で、幼虫も成虫とほぼ同じ形態をしており、脱皮後はその皮を食します。本種は完全な単為生殖で、オスはいません。多湿を好み、動植物やカビを食べますが、カビの繁殖のひどい所にはいません。温度が10℃以下になると発育や産卵を停止します。
 チャタテムシは微小なため、ダニと見かけ上、似ているため、詳しく知りたい場合は 専門機関に問い合わせてみてください。

分布と発生場所

 屋内に生息する最も普通の種で、日本各地に見られます。野外では樹幹・樹皮、せん苔類や朽木の洞、鳥の巣などに生息しています。一般家庭では、畳の下や押し入れ、引き出しの中など、工場や倉庫ではダンボール、パレットや壁面のカビでしばしば発見されます。
 また、新築住宅、特にマンションでの発生も多く報告されており、建築資材や畳等が十分に乾燥しておらず、気密性が高いことから高湿度となり、生息しやすいためと思われます。
 
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被害

 穀類や貯蔵加工品(乾麺、マカロニ、ビスケット、粉乳、鰹節、干し魚、七味唐辛子など)、動植物標本、本の糊、畳やござ、ダンボール、そば殻入り枕など、広範囲のものを加害します。極めて小さな隙間からも侵入するため、食品や医薬品など製品への異物混入にもなりやすいです。
 また、喘息患者の新たな吸入性アレルゲンとなっていることが、近年報告されています。


駆除・防除方法

 湿度の高い環境でよく繁殖するので、窓や扉をあけて換気をよくし、畳を直接天日で乾燥させたり、食品保管の引き出しや箱を天日に干すことが効果的です。またカビを好んで食べるため、カビの除去(清掃)、結露防止対策や防カビ対策をすることで発生予防になります。工場では、パレットやダンボールとともに持ち込まれることが多いため、パレットに対する掃除、殺虫処理、ダンボールに対しては床に直置きしない、ダンボールを極力持ち込まないなどの対策が必要となります。
 また、薬剤にはとても弱いため、発生時には、市販の殺虫剤やくん煙剤で殺虫が可能です。薬剤が使用できない場所ではアルコールを噴霧することでも効果がありますが、直撃させ、十分にアルコールに触れていないと(浸漬させるくらい)効果が低いと言われています。ただし、アルコールは餌となるカビ対策として有効です。


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