ノコギリヒラタムシ
生態と特徴

成虫体長…3㎜
体色…褐色、無光沢(毛の色は黄褐色)
幼虫体長…3~4㎜に達する
体色…薄黄色
蛹体長…2㎜
体色…乳白色
卵体長…直径約0.6~0.8mmで楕円形
体色…乳白色
通常、年に4回発生し、被害は初夏の5月頃から秋にかけて集中しています。1世代(卵~成虫)は、発育最適温度の25~28℃の条件下では35日位かかります。
成虫は3㎜の大きさがあるので、見つけるのはそれほど難しくありません。乾燥や低温、低酸素等の悪条件に対しても強い種なので寿命も通常数ヶ月、長いもので1年以上になります。卵が成虫になるまでの全過程が見られる種で、産卵数は、一生に300個位です。
分布と発生場所
世界各地と日本全国に分布します。温度の条件さえ合えば1年中どこでも見られます。
被害
重要な食品害虫または貯穀害虫として知名度が高く、食性もきわめて幅広いので、穀類・穀粉から加工食品(お菓子、乾果類、ピーナツやアーモンドなど)に至るまで食害する種です。粉を加害する場合は、深層には入らず、表面を加害する場合が多いです。噛む力が弱いので、粒より粉を好む傾向があり、他の害虫が侵入した隙間や穴から侵入する可能性が高いです。この種を見つけたら、他の害虫による食害で残ったカスを食べていることも推測できます。人を刺したり、病因菌などを移すような被害はありません。